【朝刊】2026-08-07 米国市場まとめ|出来高TOP5・ドル円・金
昨夜の米国市場は、個別企業の重要な発表やバイオ関連銘柄への急激な資金流入に加え、今年最大級の注目IPOであったスペースX(SPCX)のロックアップ制限解除の開始など、多様な材料が交錯する一日となりました。週末に米雇用統計の発表を控えていることから市場全体としては様子見ムードが広がる一方で、特定の材料が出た個別銘柄には非常に活発な取引が見られました。
米国株 出来高TOP5
| 順位 | ティッカー | 株価 | 騰落率 | 出来高 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ENSC | $0.5243 | 44.8343% | 492,555,115 |
| 2 | SURG | $0.325 | 45.479% | 268,962,444 |
| 3 | CELZ | $1.15 | 71.9498% | 261,427,217 |
| 4 | SPCX | $114.92 | 6.1421% | 252,584,999 |
| 5 | GAUZ | $0.425 | 69.5253% | 230,537,701 |
- 1位:ENSC(Ensysce Biosciences, Inc.) 臨床開発段階の製薬会社である同社は、Cy Biopharma, Inc.の買収を完了したこと、および最大7700万ドルの私募(プライベートファイナンス)による資金調達を発表しました。FDA(食品医薬品局)よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けている複合性局所疼痛症候群(CRPS)治療薬「CY200」の開発加速への期待感などが急騰の要因と考えられます。
- 2位:SURG(SurgePays, Inc.) フィンテックおよびワイヤレス技術を提供する同社は、米国の主要なワイヤレスマスターディストリビューターと提携し、「Redline Wireless Group, LLC」という共同事業体を設立したと発表しました。全国2万店舗を超えるプリペイドワイヤレスディーラーのネットワークを通じて同社の提供サービスを普及させる計画であり、配信力の拡大に伴う将来的な事業拡大の思惑から商いを集めたと考えられます。
- 3位:CELZ(Creative Medical Technology Holdings, Inc.) 再生医療分野を手掛ける同社は、米国特許商標庁(USPTO)から1型糖尿病向けの「エクソソームを用いた免疫療法」に関する新しい特許査定通知を受領したと発表しました。独自の技術プラットフォームにおける知的財産保護の強化が材料視され、大幅な株価上昇につながったとみられます。
- 4位:SPCX(Space Exploration Technologies Corp.:スペースX) 2026年6月にナスダックへ新規上場したスペースXは、前日の決算発表を受けて株価が乱高下する中、上場後初となる売却制限(ロックアップ)の解除日(第1トランシェ:最大約9億1150万株が売却可能となる予定)を迎えました。事前の警戒に反して市場が約1000億ドル相当にのぼる追加供給リスクを無難に消化したとの見方が広がり、売りポジションの買い戻しを交えながら出来高が膨らみ株価を戻しました。
- 5位:GAUZ(Gauzy Ltd.) スマートガラス向けライトコントロール技術などを展開する同社は、四半期決算発表の予定日(推定)を迎えるタイミングであり、直近の負債決済やPIPE(私募による増資)の動きなど複数の思惑から注目されました。低位株における投機的な短期資金の流入により、激しい取引と大幅上昇を記録しています。
ドル円・金の値動き
外為:USD/JPY(NYクローズ、2026-08-07)
始値 158.452 / 高値 158.576 / 安値 158.208 / 終値 158.359
本日夜の米雇用統計発表という超大型材料を前に、外国為替市場は1ドル=158円台半ばで明確な方向感を欠いたままもみ合いに終始しました。小幅に上下したものの、市場参加者の大部分が様子見姿勢を決め込んだため、終値は始値とほぼ同じ水準にとどまる展開となっています。
コモディティ:金先物(COMEX・ドル建て、2026-08-07)
始値 4298.3 / 高値 4328.4 / 安値 4288 / 終値 4325.4
ドル建ての金先物価格は上昇し、終値で4325.4ドルを付けました。金融政策をめぐる不確実性からゴールドへ一部の退避資金が流入したほか、世界的な地政学的リスクへの懸念や実需の買いが背景となり、下値の硬い底堅い推移が意識されています。
本日・今夜の注目ニュース
重要度の目安:●●● 相場全体●●○ 一部の市場●○○ 参考
今後の取引時間に向けて注目される重要な指標やイベントは以下の通りです。
重要度 高
1. 米国 7月雇用統計(本日 21:30発表)
- 内容:非農業部門雇用者数(予想:8.8万人増、前月:5.7万人増)、失業率(予想:4.2%、前月:4.2%)、平均時給(前月比予想:+0.3%)など。
- 市場への影響:米国の労働市場の強弱はFRB(連邦準備制度理事会)の利下げ開始タイミングやその幅を占う最大の要素です。仮に予想を超える強い結果となった場合は、利下げ先送り観測による金利上昇・ドル高を招く可能性があります。一方、大幅に弱い結果となった場合は、景気後退への懸念が急速に強まることで、一時的な株安やドル売り(ドル安)を誘発する可能性が市場で意識されています。
重要度 高
2. カナダ 7月雇用統計(本日 21:30発表)
- 内容:カナダにおける7月雇用状況および失業率。
- 市場への影響:カナダ中銀(BOC)の追加利下げなどの政策スタンスを巡る判断材料となります。労働市場の冷え込みが強く現れれば、早期追加利下げへの期待からカナダドルの下落材料になりやすく、米国雇用統計の発表と同じタイミングであるため、ドルや円を巻き込んだ為替相場の激しい値動きが生じる可能性があります。
重要度 中
3. 中国 7月貿易収支(本日発表)
- 内容:中国の米ドル建て輸出入金額、ならびに貿易黒字額。
- 市場への影響:グローバルな通商における主要プレイヤーである中国の動向は、世界景気の先行きを映す鏡です。輸出入の回復傾向が見られれば、世界的な需要の下支えとしてリスクオンの姿勢が意識される一方、外需の不振が示される場合には景気減速感から、関連する海運株や資源国通貨への重しとなる傾向がみられます。