【週間まとめ】10/5〜10/9 日経平均・米国株・ドル円・金の1週間
今週のポイント
- 日経平均株価は一時7万円台を突破: 週前半は、米国の労働市場軟化に伴う金融引き締め懸念の緩和や米景気の底堅さを背景にリスクオンが優勢となり、日経平均株価は一時70,799円の年初来高値を記録、終値でも7万円の大台を一時回復しました。しかし、急ピッチな上昇への利益確定売りや米長期金利の上昇に押され、週末にかけては69,000円台前半まで押し戻される展開となりました。
- 米主要株価指数は最高値更新後に反落: 米国市場では、自社株買いや好決算などを材料に主要株価指数が週半ばに揃って最高値を更新しました。しかし、その後に公表された9月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で追加利上げの必要性が示唆されたことや、米長期金利の急上昇、人工知能(AI)市場を巡る警戒感から一時大きく反落するなど、週末にかけてボラティリティの高い一進一退の展開となりました。
- ドル円相場は日米金利差を意識し158円台で推移: FOMC議事要旨でFRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派的な姿勢が意識され、米10年債利回りが一時5.36%近くまで上昇したことを背景に、日米金利差を意識したドル買い・円売りの流れが強まりました。ドル円は週間で一時158.49円まで上昇し、底堅い値動きが続いています。
今週の値動き一覧
| 銘柄 | 前週末 | 今週末 | 週間騰落 | 週間高値 | 週間安値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 68,309 | 69,042 | +733(+1.07%) | 70,799 | 69,042 |
| S&P500 | 7,722.72 | 7,811.54 | +88.82(+1.15%) | 7,844.52 | 7,727.59 |
| ナスダック総合 | 27,190.86 | 27,366.17 | +175.31(+0.64%) | 27,722.75 | 27,066.76 |
| USD/JPY | 157.93 | 158.25 | +0.32(+0.20%) | 158.49 | 157.45 |
| 金先物(ドル建て) | 4,162.3 | 4,220.3 | +58.0(+1.39%) | 4,232.7 | 4,091.2 |
| ビットコイン(円建て) | 13,642,344 | 13,047,949 | -594,395(-4.36%) | 13,698,175 | 12,673,132 |
今週の金融市場は、週前半に米国の景気ソフトランディング期待から株式相場を中心にリスクオンが強まりましたが、週後半にかけては金利上昇や地政学的リスクへの懸念から上値が重くなるなど、方向感を探る推移となりました。日経平均株価や米主要3株価指数は週間で上昇を維持したものの、週末にかけての上値の重さが意識されています。一方、ビットコインはリスク回避の売りから大きく下落したのに対し、金先物はインフレ懸念を背景に安全資産として買われ、上昇が際立つ1週間となりました。
株式市場の1週間
【日本株式市場】
週明け10月5日(月)の東京株式市場は、前週末に発表された米国の9月非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下回ったことで、米国の追加利上げに対する懸念が和らぎ、米国株高の流れを引き継ぐ形で大幅続伸して始まりました。半導体やAI関連の成長株を中心に買い戻しが急がれ、日経平均株価は一時70,000円の大台を突破しました。
翌6日(火)も、米国における経済の堅調さを背景にしたリスク選好の流れを受け大幅続伸し、終値ベースでも70,683.977円を記録、取引時間中には週間高値となる70,799円(四捨五入して表示)まで買い進まれる極めて強い展開となりました。
しかし、週半ばの7日(水)からは雰囲気が一変しました。短期間での急ピッチな上昇に伴う高値警戒感から、値がさのハイテク株を中心に利益確定売りが優勢となりました。8日(木)には、前日深夜に公表された米FOMC議事要旨を受けて米長期金利が強含みとなったことに加え、日本銀行が公表した地域経済報告(さくらレポート)で国内景気の緩やかな回復基調が示されたことから、将来的な金融政策正常化(追加利上げ)への警戒感が強まり、日経平均株価は前日比-993.602円と大幅反落に見舞われました。
週末9日(金)は、前日の米国株安を背景に一時800円を超える下落となる場面もありましたが、中東情勢の緊迫化に伴い上昇した海運などのバリュー株や、国内企業の好決算を発表した個別銘柄に買いが入り、終値では前日比-11.187円と底堅さを示して1週間の取引を終えました。
【米国株式市場】
米国株式市場は、週前半において非常に堅調な値動きを見せました。景気ソフトランディングへの期待が根強く残る中、エヌビディアの自社株買い枠の拡大や主要取引先であるフォックスコン(鴻海精密工業)の過去最高の月次売上などの好材料が、AI・半導体セクター全体のセンチメントを大きく好転させました。10月6日(火)には主要ハイテク銘柄が牽引する形で、S&P500およびナスダック総合指数が揃って過去最高値を更新しました。
しかし、10月7日(水)の取引では利益確定の売りに押される展開に転じました。同日深夜に公表された9月のFOMC議事要旨で、参加者の多くがインフレ抑制に向けて追加利上げの必要性を示唆していたことが判明。これにより米10年債利回りが一時5.36%近くまで急上昇し、株式市場の重荷となりました。さらに10月8日(木)には、AI市場をリードするOpenAIの年間収益見通しに関する報道が伝わり、膨大なAI関連のインフラ投資が今後も持続可能かという懸念が台頭し、ナスダック総合指数は前日比-1.25%の大幅下落となりました。イランを巡る地政学的緊張を背景にした原油相場の高騰も、インフレ懸念を刺激して売りを加速させました。
週末10月9日(金)の取引では、AIの旺盛な先行き需要を裏付けるニュースの再評価から警戒感が和らぎ、中国向けの出荷実績拡大が好感されたテスラなどの上昇が支えとなって、主要指数は反発して取引を終えています。
為替・金・暗号資産の1週間
【為替(ドル円)】
ドル円相場は、週間を通じて強固な上昇傾向を保ち、前週末の157.93円から今週末は158.25円(+0.20%)へと上昇しました。
週初こそ米労働市場の軟化による金利低下期待から、円が一時買い戻される場面(週間安値157.45円)もありましたが、その後はドル高の流れへと回帰しました。米国の9月ISM非製造業景況指数が景気拡大の節目である50を維持したことで景気の底堅さが意識されたこと、さらにFOMC議事要旨において多くの参加者が追加利上げの必要性を示唆したことで米長期金利が上昇したことがドル高をサポートし、ドル円は週間高値158.49円を記録しました。週末にかけては中東の緊迫化に伴うリスク回避の動きも意識され、上値はやや抑えられたものの、依然として高水準での推移が続いています。
【金先物(ドル建て)】
金先物(ドル建て)は、前週末の4,162.3ドルから今週末は4,220.3ドル(+1.39%)へと大幅に上昇し、週間高値では4,232.7ドルに達しました。
中東における地政学的リスクの深刻化により、有事の安全資産としての需要が強まりました。また、イランを巡る情勢不安から原油価格が上昇し、これに伴う世界的なインフレ懸念が再燃したことも金を強力に下支えしたと考えられます。米国の10年債利回りが一時5.3%を超える高水準で推移する中、金利を生まない資産である金への投資妙味低下が警戒される局面もありましたが、インフレへの対抗手段(ヘッジ)としての価値が優先され、力強い買いが続く結果となりました。
【ビットコイン(円建て)】
ビットコイン(円建て)は、前週末の13,642,344円から今週末は13,047,949円へと-594,395円(-4.36%)の大幅下落となりました。
週前半こそ株式市場の強気な地合いを背景に一時13,698,175円の週間高値を記録したものの、週半ばからは一転して軟調な推移となりました。最大の要因は、中東の地政学的緊張が急速に高まったことです。緊迫化を受けて、市場では暗号資産のような「ボラティリティの高い不確実なアセット」から、現金や金といった安全資産へと資金を一時的に引き揚げる動きが優勢となりました。米金利の上昇による影響や、株式市場でのハイテク株の急落も暗号資産への売り圧力を助長し、週間安値は12,673,132円まで売られる局面がありました。
来週の注目ニュース
重要度の目安:●●● 相場全体●●○ 一部の市場●○○ 参考
来週(2026年10月12日〜10月16日)における主要な予定です。一般的に、発表やイベントが市場にどのような影響を及ぼす可能性があるのか、重要度順に解説します。
重要度 高
1. 米9月消費者物価指数(CPI)発表(10月14日 21:30)
米国の物価動向を測定する最も重要なインフレ指標である「米消費者物価指数(CPI)」の9月分のデータが、日本時間10月14日(水)の21時30分に公表される予定です。
- 一般論としての影響: FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策(利下げや、追加利上げの必要性)を判断する上で最も重視している指標の一つです。事前の市場予想よりも強いインフレ傾向を示す結果となった場合、金利高止まりへの警戒感から株式市場の下押し要因や、日米金利差を意識したドル高・円安材料になりやすいと考えられます。逆にインフレの沈静化が確認されれば、金利低下への期待感からハイテク株などを中心に買いを呼び込む可能性があります。
重要度 高
2. 米9月小売売上高発表(10月15日 21:30)
米国の景況感や個人消費の強さをダイレクトに示す「米小売売上高」の9月分のデータが、日本時間10月15日(木)の21時30分に発表されます。
- 一般論としての影響: 米国は経済活動(GDP)の約7割を個人消費が占めているため、個人消費の好不調は米景気が「ソフトランディング」に向かうか「景気減速」に陥るかを見極める重要な判断基準となります。市場の想定を上回る堅調な結果であれば、米国経済の回復力の強さが改めて好感され、ドル買いや株式市場の安心感に繋がると考えられます。一方で大幅な減少となれば、消費の冷え込みによるリセッション(景気後退)リスクが意識され、リスクオフの流れを招く可能性があるため注意が必要です。
重要度 中
3. 米主要金融大手の2026年第3四半期(7〜9月期)決算発表(10月13日〜10月16日 随時)
日本時間10月13日(火)のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどを皮切りに、ウォール街を代表する米主要金融機関の決算発表がスタートします。
- 一般論としての影響: 米国の決算シーズンの幕開けとなる金融大手の業績報告は、高金利環境における企業の資金繰り状況や、不良債権の増加具合、貸出の動向などを確認する上で非常に重要なシグナルとなります。好調な決算となれば、高金利下でも米国経済が依然として頑健であることを示す裏付けとなり、株式市場全体の信頼感を押し上げる要因となり得ます。対して業績に急激な陰りが見られた場合は、企業業績全体の先行き懸念へと波及する可能性があります。
重要度 低
4. 東京株式市場の祝日休場(スポーツの日)(10月12日 終日)
日本時間10月12日(月)は「スポーツの日」に伴い、東京株式市場が終日休場となります。
- 一般論としての影響: 日本の株式市場が休場している間、海外の株式、為替、商品市場などは通常通り取引が行われます。週明けに海外市場で突発的なニュースや地政学的リスクの急変があった場合、その価格変動の影響が13日(火)の取引開始時にまとめて反映されるため、週初の寄り付きでは株価が大きく窓を開けて始まるなど荒い値動きになりやすくなります。また、取引参加者が制限されることから、一時的に為替やCFD市場などの流動性が低下する場面が生じる可能性があると考えられます。
今週の朝刊・夕刊
- 【夕刊】2026-10-05 東京市場まとめ|日経平均・ドル円・金
- 【夕刊】2026-10-06 東京市場まとめ|日経平均・ドル円・金
- 【朝刊】2026-10-06 米国市場まとめ|売買代金TOP5・ドル円・金
- 【夕刊】2026-10-07 東京市場まとめ|日経平均・ドル円・金
- 【朝刊】2026-10-07 米国市場まとめ|売買代金TOP5・ドル円・金
- 【夕刊】2026-10-08 東京市場まとめ|日経平均・ドル円・金
- 【朝刊】2026-10-08 米国市場まとめ|売買代金TOP5・ドル円・金
- 【夕刊】2026-10-09 東京市場まとめ|日経平均・ドル円・金
- 【朝刊】2026-10-09 米国市場まとめ|売買代金TOP5・ドル円・金
- 【朝刊】2026-10-10 米国市場まとめ|売買代金TOP5・ドル円・金